のぶろぐ | スペインで野球ときどきベースボール

サッカーの国スペインのバレンシアで野球をしながらスペインの日常を記す冒険の書(2020年3月に日本に帰国)

大切にしている本

皆さん、こんにちは。淺沼です。

前回の投稿から少し間が空いてしまいましたが、久しぶりに新しい記事を書いてみました。

いろいろとブログを通じて紹介したい記事がたくさんあるのですが、最近少しバタバタしてしまい更新が遅れがちです,,,

さて今回はテーマの通り自分が大切にしている本について紹介します。

バレンシアはようやく気温が少し下がり風も少しだけ涼しくなり秋が近づいてきた感じがします。日本は秋が深まっているころだと思うので、読書の秋の参考にしていただければ幸いです。

 

今回皆さんに紹介したい本は、

この世で一番の奇跡』オグ・マンディーノ

という本です。

この世で一番の奇跡

この世で一番の奇跡

 

本のタイトルが気になると思いますが、まずは著者や自分がこの本と出会ったきっかけなど簡単に紹介していきます。

オグ・マンディーノとは...

オグ・マンディーノは10冊以上の著書を残し全世界で3600万部を売り上げたアメリカ・ボストン出身の自己啓発書作家・小説家。「世界中で最も多くの読者をもつ自己啓発書作家」とも呼ばれている。

 

オグ・マンディーノと自分との出会い

彼の本を一番初めに読んだのは小学生の頃。父親が一冊の本を貸してくれた。『十二番目の天使』という本だ。順風満帆だった主人公が妻子を亡くし絶望しているなか、友人の頼みで少年野球チームの監督を務めたシーズンを描く物語。そこで一人の男の子と出合い、人生に絶望していた主人公が少しずつ再び人生に希望を見出していく物語だ。

当時小学生で漫画しか読まなかった自分にとって野球の話の本ということで読み始めるのが全然嫌ではなく、最後まであっという間に読み終えてしまった。主人公と出合う男の子の行動に勇気をもらえたし、初めて漫画以外の本で感動したのを覚えている。

今ではよくあるストーリーと言われてしまうかもしれないが、野球を知らない人でも楽しめる本だと思う。

作中に登場する子ども達が何度も一緒に大声で叫ぶあるフレーズは今の自分にも言い聞かせることがよくある。

これがオグ・マンディーノの作品との出会いだった。

 

『この世で一番の奇跡』との出会い

そんなこんなで月日は流れ、自分は大学生になっていた。

今まで野球しかしてこなくて世間のことなんて全く分からなかった自分にとって、最初大学生活はめちゃくちゃ怖かったし、めちゃくちゃ周りにビビりながら大学生活を送ってた。

周りを見ればみんなカッコいい人たちばっかりだったし、自分に持っていないものを全部持っている人たちばっかりだった。完全に場違いなところに来てしまった...って思った。

そして自分の中で解決できないことも多くて、授業がない時はアパートに帰ってずっと部屋にいた時期もありました。

どうにか現状を変えようって思って自分でいろいろやってみたりもした。カッコよくなりたいって思って、勉強してみたり服買ってみたり何とか注目されようと頑張ってみたり!笑

そのいろいろやった中に、少しでも教養を身に着けたいって思って、本を読んでみようって思って、どんな本がいいか、誰の本がいいか探していた時に、昔に読んだオグ・マンディーノの『十二番目の天使』のことを思い出した。

彼の本を読んでみようと思って、Amazonで検索したところ、この『この世で一番の奇跡』を発見。

まず本のタイトルに目が留まった。すごい素敵なタイトルだったけど当時いろいろうまくいかないことが多くて「この世で一番の奇跡って何よ?奇跡の起こし方でも教えてくれんの?」と半分距離を取って疑いながらこの本にしようって決めたのを覚えている。本は中古で1円で販売されていて「送料のほうが高い本って...笑 まぁ1円なら面白くなくてもいいか。」って購入ボタンを押した。

数日後、アパートに『この世で一番の奇跡』が届いた。梱包の箱を開けてみると、手のひらサイズで厚さが1㎝もない小さな本が箱の隅に収まっていた。

これがこの世で一番の奇跡と自分の出会い。

 

簡単なあらすじと自分の解釈 

物語は、社会的に成功した主人公(オグ・マンディーノ自身がモデル)が日々の仕事に追われる中で、日に日に成功とは何かを考えるようになる。そんな時に一人のラグピッカー(ゴミや廃品を拾い生活をする人)の老人と出会う。その出会いを通じて主人公は本当の成功はどんなものなのかを体感していくという物語。

老人は過去の偉人や歴史上の人物が残した経験を主人公に伝え、主人公は自分の求める成功とは何かに気付き始めていく。

そして物語の終盤、、、主人公が老人からある使命を託される。

それは「100日間、毎日眠りにつく前にある覚え書きを読む」という使命。

 

当時この本を読んでいた自分自身もその覚え書きを読む前に、その日から100日後の日を数えて手帳に印をつけた。その日は今でも忘れない。2012年1月9日。成人の日だった。※実話です!

そして初めてその覚え書きを読み終わって一息ついたとき、今まで抱えていたモヤモヤがゆっくり消えていく気がしました。

何より当時自己憐憫の感情だらけだった自分が100日間の使命を終える日が「成人の日(人に成る日)」だったのでこの本の内容のような運命的なものを感じました。

それからはどんなに忙しくてもどんなに疲れていても、必ず寝る前にその覚え書きを読むという使命は欠かしませんでした。

実際その覚え書き自体もとてもシンプルかつ深い内容で面白くて読むのも苦じゃなかったし、それ以外にすがるものもなかったので読み続けることだけはやめませんでした。

 

その100日間の使命を続け行く中で、少しづつ日常的な意識が変わっていくのが分かりました。

この本を購入する前は、「世の中、理不尽で意味わかんないことばっかりしかないな!」ってふてくされていたことも多かったですが、使命を終える頃には結構意識的に前向きになれるようになったと感じています。

 

1円で購入した本。でも自分にとってお金に換えられないくらい大切な本。

この本はそのくらい大きな支えになってくれている本で、在学中進路を考える時期に「そんなんやって何になるの?」「食べていけるの?」「ちゃんと将来考えてんの?」と言われて不安になったとき何回も読み直していました。

そして青年海外協力隊としてエルサルバドルに行くときも、東京で働くことになったときも、今スペインでワーホリに来ているときも。長期で新しい場所に行く時には必ず持っていく本です。

 

オグ・マンディーノの本は海外の自己啓発本ということで少し宗教的な表現が多いですが、いろんな価値観や人生観を養うにはもってこいの本が多いです。小説やファンタジーのような雰囲気の表現や内容も多いので疑問に思うところがありながらも一つの小説として読むことができると思います。

そして彼の本は自己啓発本特有の「今すぐやる!」「ひたすら行動する!」というようなアクティブでアグレッシブな内容ではなく、ゆっくりじっくり本の内容を味わいながら読むことができ、心が穏やかになれる内容のものがほとんどです。

多くの自己啓発本の成功するためのテクニックではなく、生きていくための本質がシンプルに書かれているので、心が疲れた時や行動することが嫌になってしまった時にスゥーと心にしみる大人の童話のような優しい本が多いのでおススメです。

 

オグ・マンディーノの本には共通して、「先人の知恵や知識(よく「高みにいる友人たち」と表現)はその人たちから会いに来ることはできない。自分たちからその友人たちを探して会いに行かなければ先人たちが直面した問題や困難を乗り越える知恵や知識と出会うことはできない。」と綴られている。

要約すると「本を読もう」ということだが、彼の作品を読めば読むほどこの意味を理解させられる。

これは個人的な意見で、よく聞くことだと思うけど、人とか本とかってその人が必要な時に出会うことが多いなって思う。そういう意味でもこの本は自分の人生の中で一番ベストなタイミングで読むことができたと思ってる。

 

皆さんが思う「この世で一番の奇跡」はどんなものでしょうか。

 

今回はオグ・マンディーノの『この世で一番の奇跡』の紹介をしましたが、この本限らず、苦しい時に支えてくれる本があるということはすごく大きいことだと思います。

皆さんも気に入っている本や、支えになっている本があると思います。自分のこの記事がその本を読み返すきっかけや、新しい本を探すきっかけになってくれれば嬉しいです。

 

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

そろそろワーホリについてやスペイン、バレンシア、そしてエルサルバドルのことなんかも記事にしようと思ってはいるので、そっちの情報のほうが知りたいという方はもう少々お待ちください!

Hasta......pronto?