スペイン旅行での出逢い
2017年の9月に青年海外協力隊としての任期を終えてエルサルバドルから帰国し、すぐに2週間スペインへ旅行しに行った。
エルサルバドルでの2年間は公用パスポートでの渡航だったので、帰国後すぐに一般のパスポートを作った。
思い切って10年有効のパスポート。
人生初の海外はエルサルバドル。
そして人生初の海外旅行はスペイン。
なかなかこの経歴を持つ人はいないんじゃないかと思う。
スペインの公用語は一般的にスペイン語。自分が2年間生活したエルサルバドルの公用語もスペイン語。
旅先をスペインにしたのはエルサルで身につけたスペイン語がどれだけ通じるか試してみたかったから。
その時の旅行はマドリード、トレド、セゴビア、ビルバオを周った。(各街の魅力はまた別の記事で細かく書きます)
最初にマドリードの空港に到着し、換金所の女性に換金をお願いすると早速笑われた。
「あなたどこでスペインの学んでいたの?」と。
どうやら中米でしか使わない言い回しを言ってしまったようだ。
別にバカにされてる感じはなくて、興味を持ってくれて話も弾んだから嬉しかった。
その夜、バルへ繰り出しカマレロ(ウエイター)と話していたら、となりにおじいちゃんが来た。どうやらそのバルの常連らしく、カマレロが自分のことを紹介してくれた。
さすがラテンの国。すごいフレンドリーだ。
そのおじいちゃんに簡単な自己紹介をしたら、
「そりゃすごい!すごいけど君のスペイン語は今まで聞いたことない訛ってるな!ハッハッハ!面白いからビール一杯おごってあげる!スペインへようこそ!」
とビールをおごってくれた。
エルサルではなるべくスペインのスペイン語に近い発音で話そうと意識していた自分にとっては結構ショックだったけど、これがネタになりいろんな人と仲良くなれるから良かった。
どの街も素晴らしく景色や人に感動したけど、その中の1つ、「トレド」の街には特別な思い入れがある。
まずその街の景色。中世にタイムスリップしたかと錯覚するような街並み。
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の文化が入り混じりどこを見ても絵になる。
まるでドラクエの世界に来たかのよう。
ドラクエが大好きな自分にとっては、もう飛び跳ねるほど心を揺さぶられた。
街から出た高台から見る街全体の景色は、今まで見た景色の中で心に残っている景色の1つだ。
その街で忘れられない出会いがあった。
小さな雑貨屋にふらっと立ち寄った時のことだ。
伸「Hola! 入って見てもいいですか?」
店員「もちろん!あなたはスペイン語話せるの?」
伸「少しね!でもめちゃくちゃなまってるでしょ?」
店員「確かに少しなまってるけど、あなたはちゃんと私の言ってること理解できてるし私もあなたの言ってることが分かるから全く問題じゃないわ!」
伸「ありがとう!この街素晴らしいね!一瞬で好きになっちゃったよ!」
店員「嬉しいわ!あなたは1人で旅しているの?」
伸「残念ながらね!」
店員「1人の旅はいいものよ。いつか必ず君の役に立つ。私も昔にサンティアゴ巡礼の旅に1人で行ったけど本当によかったわ。私ももう一度行きたいわ。今は娘がいるから難しいけど!多くの人は1人での旅は怖いからしたくないけど、本当は1人で行く旅行でこそたくさんの発見があるわ。だから残念がることないのよ!」
こう言ってくれた。
本当に嬉しかった。
街にも人にも惚れた。
スペインは革製品の質がいいことで有名でその店でも質のいい革のベルトがあったのでトレドの思い出にと思って購入した。その店員さんは割引もしてくれた。
店を出る時その店員さんが、
「ちょっと待って!これも何かの縁だから、このマグカップも持っていきなさい!きっとまた来てね!今度は彼女さんと来るのを期待してるわ!」
と陶器のマグカップをプレゼントしてくれた。
まだまだ全然世界を知らないけど、その国の言葉を話せると現地の人との距離がずっと近くなる。
もちろん身振り手振りで伝えることも大切。
でも相手の言ってることを理解することや自分の言いたいことを伝えるには、言葉を理解できるって本当に大きいことだと思う。
学校の勉強とか知識とか確かに大事。
でも自分の人生に大きな影響を及ぼしているのは、誰かから言われた「言葉」だ。
良くも悪くも忘れない。
小学校の校長先生が「言葉って言ったほうはすぐに忘れてしまうけど、言われたほうは一生忘れない。だから悪い言葉じゃなくて良い言葉をみんなで言い合おうね」
と言っていた。
まさにこれ!
人生初の海外旅行でスペインに行って良かった。
そしてトレドへ行き、あの店へ立ち寄って本当に良かった。
スペインにワーホリいこうと思えたのも、こういう人や景色とかの出逢いがあったから!
スペインにいる間にまた絶対に行きたい。